読書に思うこと

夜に読む本が好きだ。
大抵、寝床に入って寝転んでうつ伏せの状態で読む。子供の頃からそうだった。
夜中に熱中してくると眠い頭が無理やり起こされているような状態になって(ちょっと油断するとすぐ眠気がやってきて、何回かそこを乗り越える)だんだんハイになってきて、ハイになってる時はとても集中している。
とんでもない夜更かしになることが多いので、大抵は次の日の朝に後悔することになる。

また、最近は晴れた日に日光浴をしながら公園のベンチで本を読むのが好きだ。
まず、陽の光を浴びている時点で僕はかなりの多幸感に包まれている。何もかもどうでもよくなっていて、考えてみるとそれは植物のような状態に近い。
アンチエイジングには余念がないので日焼け止めをたっぷりと塗って、なるべくつばの大きい帽子をかぶって、光が強すぎる時はサングラスをかけて本を読む。
夏場は逆にうまく木の影に隠れるところを探して僅かな木漏れ日の下で読むことが多い。夏場の木の影は涼しい。
春や秋や冬のぽかぽか陽気の中で本を読んでいると幸せすぎて、もうずっとこうして暮らしていたいなぁ、とつくづく思ってしまう。

本を読むことで知識や知見が豊かになるのは確かに有益なことなんだけど、僕としてはもっと大事なことがあるように思っている。
それはうまくは言えないんだけど、自分の持ってるこれまでの価値観をひっくり返してくれること、自分をこれまでとは少し違ったものに変えてくれること、これまで感じたことのない感情を抱くこと、誰かのことを思い出すこと、新鮮なものに触れたような気がして気持ちが若返ること、この世で一番怖いものを知ったような気分になること(伝えきれないけどもっとたくさんある)。

結局のところ、自分を読んでいる感じだ。

そんな風に感じるのはきっと読書が体験や経験に近いものなんだからだと思う。
本に書かれていることを読んでいる時、同時に僕はその文章を創造しているのかもしれない。僕がそれを読まなければ、僕の世界にはその文章はなかったのだから。

本を書いてくれてる人たち、ありがとう。