帰省旅行

帰省といえば通常は地元の父親や母親のいる家に帰るイベントなんだろうけど、ウチの場合は親が親の実家に帰省する。だから僕もそれについていく形で移動するので、盆や正月など、僕が福井県の地元の生家で過ごしたことは数えるほどしかない。
母方の祖母のいる福井県と父方の祖母のいる和歌山県、やる気のある時は両方に帰ったりしていて(おばあちゃんももう歳だからできるだけ帰ろうとしている)、タイトなスケジュールで1日滞在してすぐ移動、とかは馬鹿馬鹿しいから僕ももう開き直って長期休暇を取って長々とブラブラと旅行をしていた。
名古屋や岐阜、京都や大阪には友達もいるからその時々で友達のところに寄って、時には全然関係のないところ(例えば広島や山口や四国や九州)にまず旅行して、福井か和歌山、あるいはその中間地点の大阪を目指す、というような帰省旅行である。

これは簡単にいえば僕の貧乏性のなせるわざだ。高いお金を使って移動するわけだから、できるだけ色んなところに行って長く滞在したいではないか。

 

移動を繰り返すので必然、とても疲れる。またお金が全然ない時期もあったから、深夜バスや深夜特急、18切符などを駆使して移動するんだけど、これはもうすごく疲れる。加えて宿泊先の親戚や友人宅(時には野宿)で寝るのでこれもまた疲れが取れにくい。長期旅行は体力を著しく消耗する。
「旅が日常」みたいな旅人の方もいるし、僕自身、西行山頭火みたいな漂泊の文人に憧れたりもするんだけど、もしかしたら俺には無理かもしれないな、と薄々思い始めている。