石を投げる

河原や海などで遠くに向かって思いっきり石を投げる。子供の頃には当たり前のようにしていたそんな遊びを大人になってからはほとんどしなくなった。都市に出てきて河原や海みたいな自然が近所にないから、っていうのも理由の一つなのかもしれないけど、まあ普通の大人はだんだんとそういう遊びをしなくなる。

また年始の頃の話になるけど、今年は和歌山県熊野速玉神社に参拝しに行った。この神社は初詣の時期はたいそう人気ですごい人出になるので、臨時の駐車場を近くを流れている熊野川の河川敷に設ける。
その時に親戚の子供たちと川に石投げをして遊んだ。

その子たちとは前から夏休みに古座川に泳ぎに行ったときなどに同じように水切りや遠投をして遊んでいて、当たり前だけどこれまで石の遠投で負けたことはなかった。
しかし子供の成長は早いもので、すでに中学生になって野球部に入っていた長男の投げた石は僕の投げた距離をやすやすと超えていったのだった。
おかしい。こんなハズはない。去年腕の骨を折ったし、ちょっとセーブして投げてたか…と心を切り替えて助走をつけて大きく振りかぶり、川の向こう岸を狙って全力で石を投げた。
が、ダメ…!

全然お話にならないレベルで長男の投げた距離には遠く及ばなかった。がっかりした。
あとやっぱり投げたら肘が痛くて骨折が全然完治してないことがわかってがっかりした。
さらには3、4回全力投球しただけで腕の筋肉が痛くなった上に、息が上がってヘトヘトになったのもがっかりした。
筋繊維がぶちぶちとちぎれるのがわかる(僕は筋肉を酷使するとものの数分で筋肉痛になる)。ゲロ吐きそうなくらい疲れた僕は石の河川敷に座り込んで、ああ全力投球なんて久しくやってなかったなぁ…と思った。

また最近友達の子供と公園で鬼ごっこしてた時もジャッキー・チェンの映画をよく観ていた影響でアスレチックを利用した飛んだり跳ねたり座ったりする香港アクションをやりながら鬼をやってみたんだけど(あとで友達の母親に「どう?ちゃんとジャッキーみたいになってた?」と聞いたら「猿みたいだった」と言われた)1分も経たないうちに力を使い果たして老人のような様相でヨボヨボとベンチに倒れ込んだ。

昨今は有酸素運動がとても流行っていて、かくいう僕もたまに走ったり泳いだりロードバイクに乗ったりするわけだけど、瞬発系のトレーニング(無酸素運動)はほぼやっていない。瞬発系の運動不足によって子供の遊びのような全力で動き回る運動ができなくなるのは嫌だなぁ、と思った。

そんな僕の運動上の悩みを反映しているのかいないのか、最近のトレーニングのトレンドとして有酸素運動無酸素運動を組み合わせたサーキットトレーニングが推奨されているみたいです。だけど僕はトレーニングなど絶対やりたくない!

だから、できるだけ子供のような全力の遊びをやる機会をつくりたい。「運動は生活の中でやる」というのが自分のモットーです。
さらにはジャッキー・チェンの身体運動を研究、実践する「香港アクション研究会」を立ち上げたい。会員求む。